昨年(2020年)7月から、富士山と河口湖を望む山梨県富士河口湖町にて、NPO法人・Mt.Fuji Wood Culture Societyの施設建設に携わっています。
チェアライブラリー(椅子等のコレクションの資料館・カフェ併設)と、工房(宿泊施設付き)の二棟の建設で、都幾川木建は基本設計と軸組木構造の施工を担当しています。
チェアライブラリーは古民家(築92年・埼玉県吉見町在)の移築再生、工房は新築で、共に木構造は伝統構法の手刻みによるものです。
◆施主のセルフビルドによる建設と協働
施主(NPO法人代表)の吉野崇裕さんは、主宰する〈工房木夢〉で「ZENチェアー©」(オーダーメイド椅子)を手掛ける木工家です。今回の建設では施主自ら、材木の伐採と製材から土木・基礎工事に至るまで、スタッフさん、ご家族の協力のもと、その多くの工程をセルフビルドで施工されています。
大工工事は私たち都幾川木建との協働で行っていますが、 吉野さんの主旨に賛同して集まった、協力者(プロ、アマ含め)の皆さんが、それぞれの役割で共同作業をしています。
◆吉野さんの夢/森の再生と、チェアライブラリー&シェア工房
施主・吉野さんによるこのプロジェクトの原点には「大径広葉樹の枯渇の危機感から、木工の仕事で使わせてもらってきたその広葉樹を、自らの森で再生させたい」という願いがあります。
そして、椅子研究のレジェンド武蔵野美術大学名誉教授、島崎信コレクションを中心に、コレクターの方々からお預かりした約600脚の椅子を保管・展示するためのチェアライブラリーの建設、さらには世界の木工家が互いに学び合えるオープンな場としてのシェア工房建設が連動して、その夢は発現しようとしています。
詳しくは、和田 賢治(木工家)さんのブログ
「木工家 吉野崇裕氏が4000坪の森を開拓して切り開く日本の木工業界の新たな世界」 をご覧ください。
◆チェアライブラリー/古民家の移築再生
昨年2020年9月に縁あって、埼玉県吉見町にある築92年の古民家を譲り受け、これをチェアライブラリーとして移築再生することになりました。古民家解体工事に向けての準備が暮れに始まり、本年1月末に軸組をほぐして都幾川木建に搬入の予定です。
ときがわで、傷んだ部材の補修や捻じれ・曲がりの補正、そして増築部の追加加工と架構の修正を行います。富士河口湖町への移設作業は4月末から5月を予定しています。
今後の移築再生工事の進捗についてはこのページをご覧ください。